KIRINBLOG INTERVIEWS

気になるあの人の話を聞いてみたい。

2014年1月19日

今年の皆嶋は、やせマッチョになります!

皆嶋孝二郎 - elega nail 代表/Gusk プロジェクトマネージャー/webデザイナー

キリンブログインタビュー第3回目は、福岡でネイルサロンelega nailを経営している皆嶋孝二郎さんにお話を聞いてきました。

皆嶋さんとは同じ年の生まれであることやお互いオーストラリア住まいの経験があることで、出会った当初から親しみを持ってやりとりさせてもらっています。

皆嶋さんはネイルサロンを経営する傍ら、「新しい時代の働き方・生き方」をテーマにしたイベントを精力的に開催しており、2013年7月に行われたユナイテッドピープル映画祭では、プロジェクトリーダー的な存在として現場のスタッフやボランティアメンバーを大いに盛り上げ、1000人規模が来場するイベントとなる成功を収めています。

非常に柔軟な考え方の持ち主で好奇心旺盛な彼が、「来年は海外に移住をする」というので新たな挑戦に向けて、そしてこれまでの歩みについて色々と話を聞いておきたいと思いインタビューをさせて頂きました。

今回は同年代の2人でお酒を飲みながら、と非常にくだけた雰囲気でお話をしてきました。外からの刺激を常に楽しんでいく、オープンマインドに溢れた彼の人間性に触れてみてください。

海外生活。オーストラリアで得た多様な価値観

越水 こんばんわ。今日はお酒飲みながらということで。
皆嶋 飲みながら 笑
越水 皆嶋さんと初めてあったのは俺がやったWordPressの勉強会の時だよね。メッセージのやりとりして、お互いオーストラリア滞在してたこととか共通点があって。
皆嶋 そうそう。
越水 今まで何回か会って、ネイルサロン経営してるってのは知ってるんだけど、あんまり具体的に仕事の話とかって聞いたことないよね。
皆嶋 あまりネイルサロンのこと話さないからね。人に話すと「なんでネイルサロン?」って聞かれると話が長くなっちゃうからあまり積極的に話すことはないかな。
越水 じゃあざっくりと現在に至るまでの話から聞きたいんだけど、まずはオーストラリアに行った頃の話から聞きたいな。いつ頃行ってたの?
皆嶋 オーストラリアは大学卒業してすぐ。
越水 就職は?
皆嶋 新卒では就職はしてない。大学4年になってみんな就職活動するでしょ、その時にふと思ったの「自分が経営者なら自分のこと雇わないな」って。
越水 え?笑
皆嶋 自分という人間を雇わないと思ったの。意味、、分かる?
越水 うーん。自分のことを価値がないと思ったってこと?
皆嶋 価値がないというか、自分のことって自分で結構わかってるじゃん。面接では真面目に装って仕事出来る風にみせることはできるけど、それって本当の自分ではないよね。もし自分が面接する立場で、自分自身と一緒に働きたいかなって考えたら、まだ違うなって思ったの。
越水 ああ。それは自分がまだ周りに比べていまいち尖ってないというか、強みになるものが足りないなと感じたとか?
皆嶋 わかんない、もしかして単に就職活動したくなかったからかもしれない 笑
越水
皆嶋 それでもっといろんな経験したいなって思ってたときに、もともと高校の時、美大かグラフィックの専門に行こうとしてたのもあって、大学卒業したら東京の専門学校に行こうかなと考えたの。それで大学4年の頃9ヶ月間で100万円貯めたんだよ。
越水 うん。
皆嶋 で、お金貯める途中でワーキングホリデーっていうものがあることを知って。なんだかどんどん気になってきて、100万円貯まるころには「オーストラリアに行こう」と決めて
越水 それなんでよ 笑
専門学校行こうとしてたんじゃないの?笑
皆嶋 なんでだろ、単純に楽しそうだったから?
越水 俺の場合は、大学で英語専攻ってこともあるし、海外で生活してみたいっていう単純な興味がきっかけだったんだけど。
皆嶋 う〜ん、英語喋れるようになりたいと思ってたのと、あと欧米の「Yeah!!」ていうようなオープンなノリにすごく憧れてて笑
越水 それすごくわかる!ボディランゲージとかオーバーな感じでね。
皆嶋 そうそう、行けばそういう人間になれるんじゃないかと思って笑
越水 なるほど、それで海外にでようと思ったんだ。
皆嶋 そうね、宿も何も決めずに。大抵ワーキングホリデーでもみんな代理店通したり、最初の3ヶ月は語学学校に行くとか決めてたりするんだけど、それじゃ面白くないから「とりあえず行っちゃおう」と。
越水 たくましいな笑
越水 トータルではオーストラリアはどのくらい滞在したの?
皆嶋 11ヶ月くらい。最初の宿には全く日本人がいなくて。英語伸ばしたいから日本人とはつるまないって決めてたんだけど、3日くらいですごくホームシックになって笑 その理由が、なんというか。。。みんなノリが違うよね。みんなずーっと酒のんでて、自分は酒弱いし英語分からないから話しふられても「What?」って感じで。
越水 ああ笑 わかるよ〜。
皆嶋 けど、そんなこんなでいろいろ出会いがあって、ケアンズから南に下ってゴールドコーストで車を買ったんだよね。
越水 おお!車あるとオーストラリアは楽しいよね。っていうか車ないと移動はしんどいよね。
皆嶋 車で旅してる人たちがいて、ヒッピーみたいな感じなんだけどそういう人たちを見て「うわ、すげぇ、かっけー」みたいな。
越水 おれは友達が車持ってたから乗せてもらってたけど、自分で持ってたらもっと楽しかっただろうなー。買ったのはボロいやつ?
皆嶋 ボロいやつ。1983年のトヨタ・コロナ。1500豪ドルくらい、当時のレートで10万円くらい?最初からフロントガラスにヒビ入ってて、サイドミラーもぐらついてて、走るとどんどんオーバーヒートしていくという笑 「なにこれ!」と思って車屋持って行ったらラジエータのファンが動いてないって言われて。
越水 あぶなっ笑 こわー。
皆嶋 結局ブレーキも壊れたしパンクもしょっちゅうで、気がつけば車にすごく詳しくなってた。毎日ボンネット開けて整備してね。
越水 でもいいよね。向こうの人、ボロい車でも普通に気にせず乗ってるじゃん。あの、細かいことは気にしない感じがすごく好き。
皆嶋 買った時で27万キロ走ってたからね。でも「絶対にエンジンは壊れない」っていう名言を聞いたし笑
越水 なんだそれ笑
皆嶋 「特にトヨタのエンジンは絶対壊れないから」って笑
越水 「日本車はすげーから大丈夫だよ」って?てきとーだなぁ笑
じゃあゴールドコーストで車を手に入れて。
皆嶋 そう。ゴールドコーストの上のブリスベンって街で旅仲間を募って、韓国人とまたケアンズに戻って。
越水 車で?相当遠いよね。
皆嶋 どのくらいだったかな、2000kmくらい?10日間くらいかけて戻ったな。その途中でフルーツピッキングのバイトをしたり、200人くらいいるようなでかい農場で3日目にクビになるという。
越水 なんで?使えなかったの?笑
皆嶋 笑 いやいや、たまたま手袋がはずれて手が止まった瞬間をボスに見られて。
越水 うわぁ、そんなに厳しいの?
皆嶋 たまたまそこがそうだっただけかも。で、1日仕事終わったあとに「今から名前を呼ぶものは来てくれ」って言われて「コージロゥー」って笑
越水 ははは!「ユーファイアー(you fire)」って?笑
皆嶋 「ホワイミー!?」みたいな感じで笑 で、自分だけクビになっちゃったから自分だけケアンズに行って。そこで本格的に旅仲間を見つけて、ケアンズからエアーズロック、ダーウィン行って西のパースまで旅をしようと。
越水 うおー、遠いねー。。
皆嶋 約3ヶ月間で、距離で言うと2万キロ、地球半周分。その旅仲間をケアンズで探して、イギリス人とドイツ人と沖縄の人と4人で出発した。
越水 みんなバックパッカーなんだ、面白いねー。
皆嶋 途中、ダーウィンって街でドイツ人と喧嘩して降ろしたりとか笑 他の街で韓国人が加わったりとか、入れ替わり立ちかわりで。
越水 へぇー。
皆嶋 その時は気付かなかったんだけど、今振り返るとあの旅の経験って今の経営に似てるんだよね。
長旅で精神的にストレスが溜まった中で人に優しくできなかったりとかは、会社経営で売上げ上がらなくて感情的になってしまったりということとすごく似てて。他にもいろいろ。
車のコンディションが気になり過ぎて旅自体を楽しめなかった時もあって今思うとすごくもったいなかったなってね。
どんな経営状況でも今を楽しむことを大切だと思えるのもこの経験があったからかな。
越水 貴重な経験だね。
皆嶋 特に旅中はスピリチュアルというか不思議な経験があってさ。
やっぱり自然の中で感覚が研ぎ澄まされるのかわからないけど、ただの偶然じゃ済まされないような出来事もたくさんあったよ。これ話すとすっごい長くなっちゃうんだよね。笑
越水 じゃあ適当なとこで締めていいよ笑
俺なんかはオーストラリアから帰ってきて暮らし方に対する価値観が変わったというか。
皆嶋 どんな風に変わったの?
越水 学生の頃はわりと東京の近くに住んでて、高校のときから通学で渋谷を経由したりするんだけど、もう人混みばかりなわけ。そういう中で暮らしてきて、オーストラリア見てきたら、「東京ってちょっと異常なんだな」って思って。
皆嶋 ああ、そうだねー。
越水 あとオーストラリア行く前は飲み会とか、クラブ行って遊んだりとか享楽的なことが好きで、そういう風に楽しんでるやつがある意味ステータスだと思ってた。でも、帰ってきて「あ、そうじゃないんだな」って思って。自分の時間をちゃんとじっくりゆっくり楽しむことが一番良いんだなと感じて、人混みとかも嫌になったし。ってそういう変化とかなかった?
皆嶋 あるある!いろんな旅人と会って、十年間くらいずっと世界中放浪してる人とか、日本で会うと絶対変態なんだけど向こうでは普通だったりして。「普通」の価値観がすごく変わった。
日本での「普通」よりももっとたくさんの「普通」が当たり前に受け入れられてて、簡単にいうと視野が広がるっていうことなんだけど。
越水 なんかさ、本当にダメなやつとかもいるじゃん。でもそういうしっかりしてないやつでも暮らしていけちゃうんだなというのを感じた。学生ビザが欲しくて費用が安いからって、やりもしないカンフーの学校に通ってるやつがいて笑 実際は学校行かないでサーフィンばっかりしてるの。日本だったら白い目で見られるかもだけど、「そういう生き方もここではありなんだ」と思って。
皆嶋 そういう生き方ができるって素晴らしいことだよ。やろうと思えば誰でも出来るはずだけど、結局自分がその生き方を容認できなくて、自分で歯止めをかけちゃうところはあるよね。
越水 ああいう人を目の当たりにしないとなかなかそういう生き方でもいいんだっていうアイデアが持てないよね。結構人生観変わった?
皆嶋 変わったねー。向こうである人に教えてもらった「アルケミスト」って本に「前兆」っていう言葉が出てくるのね。出来事には前兆があって、それが人生を良い方に導いてくれるっていう話なんだけど。ある日カフェテラスで何人かで話してたら「ほら、あそこでヤシの木が風に揺られているのも、君にとって何かの前兆かもよ」って言われて。
越水
皆嶋 意味わかんねー!って思って笑
越水 スピチュアルだなあ笑
皆嶋 そうそう、けどね、ワーホリ1年を通してなんか理解できるようになって。
今までにない考えが加わった気がした。
そしていろいろ繋がる瞬間ってあるでしょ、「あのときのことはこの瞬間のためだったんだ」って、そんな実感をすることが多くあって。
越水 「意味があったことだったんだな」って?
皆嶋 そう。そういうのが日本にいるときよりもすごく敏感に感じられる気がした。
越水 感性が豊かになる気がするよね、やっぱり自然の中に身を置くのは大事だと思う。自然の中もそうだし、「不自由」の中に身を置くこと。日本だとなんでもかんでも出来ちゃうでしょ?「不自由」に身を置くっていう経験はすごく大事だったなって思う。サバイバル能力であったり、車故障した時にどうにかするとか、「逞しさ」を養うには必要な環境だったなって思う。
皆嶋 そうだねー。
越水 2万キロの旅の後は何をしてたの?
皆嶋 西のパースって街に着いて。パースの下のバンバリーって町で野生のイルカが寄ってくるビーチがあって、そこでボランティアを5ヶ月くらいやってたんだよ。
越水 具体的に何やってたの?
皆嶋 主に観光客のガイドで、イルカと泳ぐツアーとか本当に楽しかった。
そこでの経験と人との出会いは最高だったね。
あと、同じビーチでドルフィンセラピーっていうのをやってる団体がいて、自閉症で喋れない子がイルカと触れ合うことで喋れるようになるのを目の当たりにしたんだよね。「すげー癒やされてるなー!」って。ふと日本のこと考えたらストレス社会だよなーと思って、癒やしっていうテーマに興味を持ちつつ、帰国しました。
越水 ワーホリの期限が迫ってたっていうことで?
皆嶋 最後のほうは働きたくてしかたなかったんだよね。綺麗なビーチとか、山とか自然とかもうお腹いっぱいになって。「自分のやるべきことは他にあるな」と考えて。
越水 なるほど。で、帰ってきて就職しようと思ったの?
皆嶋 就職しようと、、、思わなかった笑
越水

会社員時代の想いを形にするための独立起業。試行錯誤の日々。

皆嶋 やっぱ外国から帰ってきたばかりで外国かぶれしてるんだよね。
越水 わかるよ。「だから日本はダメなんだ」とか言い出したり。。
皆嶋 いや、俺の場合は大して英語しゃべれないのに英語使う仕事がしたいと思ったりとか。それで、外国に興味ある人向けのフリーペーパーを作りたいと考えて、旅行代理店の社長紹介してもらって企画書作って提案したんだけど全く相手にされなくて。
要は、学生ノリだったんだよね。
越水 ああ。
皆嶋 その時気づいたのが、提案力もない、営業力もない、経験もお金も知識もない物づくしということ。営業ができて、伸び盛りのITについても学べて、興味がある癒やしというテーマに携われる求人はないかなと探していて、ちょうどアイスポットという会社が希望する内容で入社したんだよね。
越水 成長できる場を求めてね。
皆嶋 そう、ドンピシャだった。いろんなオーナーさんに会えるし、ITも学べるし。
越水 WEBマーケティングだ。
皆嶋 そうだね、広告使ってお店をプロモーションするような仕事。
越水 具体的にはお店を開拓をして、集客をしてあげるの?
皆嶋 新規開拓したお店にアプローチして「広告載せませんか」って営業してwebプロモーションしていく仕事だね。3年半くらい勤めたんだけど、主に大阪・福岡で1000店舗くらいオーナーさんに会えたね。
越水 おおーすごいね。そうした会社員を経て、今はネイルサロンを経営しているけどどうやってその道に辿り着いたの?
皆嶋 いろんなオーナーさんに会っていくと、「こういう人が成功するんだな」とか「こういうお店が成功するんだな」っていうのが見えてくる。
あとは「俺だったらこうするのに」という気持ちがどんどん膨らんでいって、そういうのを人に話すと「だったら自分でやれば」ってなるでしょ?
そういう「自分ならもっとこうするのに」っていうフラストレーションを形にするために起業したっていうのが一番の動機かもしれない。
越水 なんとなく自分で「こうやればいいんじゃない?」というのが見えていてネイルサロンをやったんだ?
皆嶋 もともと癒やしに興味を持っていたのでリラクゼーションサロンやりたいと思ってたけど、ブームは去りつつあったし、自分がセラピストじゃないとリラクゼーションサロンは難しいだろうなと考えてた。
そんな時に知り合いの女性や自分の妻がネイルやってて、自分のネイルをみてすごく癒やされている、毎日ハッピーになっているのを知って。
越水 ちょっと男性には理解できないよね笑
皆嶋 そうなんだけど、女性にとってはすごく癒やしなんだと思って。根拠はないんだけどネイルサロンならできそうっていう自信があって、それで始めたんだよね。
だから別に自分がネイルが好きで始めたわけではなくて、自分の思いを形にできそうだから選んだという感じ。
越水 でもゼロからスタートだよね。人も自分で集めたんでしょ。
皆嶋 そう、場所借りてオープンの1ヶ月前までスタッフも決まってなかったんだけど。知り合いにネイリスト紹介してもらったり、内装も建設事務所の友人の協力のおかげで当初の見積の1/5に費用を抑えられた。
なるべく小さくスタートしてね。
越水 そこから始まって、この間言っていたけど、お店がなんか賞に選ばれたんでしょ?すごいね。
皆嶋 これは前自分が働いていたアイスポットに登録してるネイル部門、全国西エリアの数多くあるお店の中での1番。すごいといえばすごい。
越水 へー。それでもすごいよね?
それは何か勘どころみたいのがあるの?
皆嶋 勘どころはあるんだけど秘密笑
だけどうちのサロン、本当良いサロンだから。
越水 壁にぶつかったりしたことはあるの?
皆嶋 もう毎日失敗の連続で。
越水 そこが知りたいな。皆嶋さんの真面目なところが知りたい笑
立ち上げから軌道になるまでくらいの話を。
皆嶋 前職がIT系だったからインターネットを利用した集客は得意だったんだよね。
ネットの集客はうまく行けば、ホットペッパーとかの紙媒体の1/10くらいの費用で同じくらいの広告効果を出せるって知ってたから、小資本でもできたっていうのがある。
そこを集客の軸として俺がそれに専念して、現場はネイリスト。
前職で「このサロンはいいな」と思ったとこは共通してオーナーさんがとっても良かった。オーナーさんがスタッフ思いだったり、働いている人がハッピーで現場の雰囲気が良い。
だから自分の仕事はお客さんを幸せにすることではなくてスタッフを幸せにすることが大前提。だからそこに徹底するようにやってたんだけど最初の失敗は、従業員に自由を与えることが幸せだと勘違いしてたこと。
越水 ああ、なるほどね。
皆嶋 俺自身は自由を与えられるとすごくパフォーマンスを発揮できるんだけど、それは人によって違うんだってことがわかるのに半年くらいかかった。
一例だけどね、他にもたくさんある。気づきや学びは多いよ。
自分の仕事はスタッフを幸せにするって言うだけなら簡単だけど、なかなかスタッフを幸せにできないジレンマっていうのは今でもある。
そこはもう失敗を繰り返しながらちょっとずつ成長させてもらっている感じ。
越水 基本はスタッフが気持ちよくハッピーになることが大事というのがあるんだ。
皆嶋 これは綺麗事じゃなくて、売上げとかよりもスタッフが楽しそうに仕事してる姿を見るとこっちが幸せになるんだよね。
越水 集客に関しては主に皆嶋さんが責任を負ってるんだよね。主に新規顧客獲得?
皆嶋 そうそう。新規集客をする段階でリピート率を上げる仕掛け作りってのもあって。
実は集客セミナーの講師をやったり、某スクールで独立開業セミナーをしてた時期もあるんだよ。
越水 へー。教えてほしい!
皆嶋 そういうのは得意だから。
越水 そうかー。こうして話を聞いていくとオーストラリアで癒やしに関心を持って、成長を求めて会社員やってという流れは今のネイルサロンに繋がっているんだね。
皆嶋 そう、繋がってるんだよね。結局。
越水 面白いよね。なんでネイルサロンやってるんだろうと思ってた。

新たな価値観を具現化する。ユナイテッドピープル映画祭

越水 おれと出会った後にユナイテッドピープルで働いてたよね。あれはどういった経緯で?
皆嶋 あれは社員ではなくてプロジェクトベースで関わっただけで。もともとのきっかけとしては、さかのぼるとやっぱり3.11かな。
それまでネイルサロンに集中してたんだけど、地震から半年くらいして、「やっぱり自分にも何かできないかな」と思って外に目を向け始めたんだよね。その過程で新しい働き方とか新しい価値観が注目され始めてて、ユナイテッドピープルが配給してたHappy!ていう映画の存在を知ったんだよね。
越水 ああ映画ね。
皆嶋 一緒に朝活をしてたメンバーとHappy!の上映会やろうってことになって、その後イベントを重ねるようになった。
当時家入一真さんと安藤美冬さんって、すごく気になる2人のイベントが東京であったんだけど抽選に漏れちゃったんだよね。でも主催者に「どうしても参加したい」って伝えてたらイベントの3日前に「席用意しました」って連絡があって、直前ってこともあって飛行機がすごく高かったんだよ。滞在費含めたら10万くらいいきそうだったから、「じゃあ10万円赤字になってもいいから本人呼んでイベントやろう」って思って、安藤美冬さんに来てもらってイベントしたり。
そのときに経験を買うっていう発想も生まれたね。
越水 なるほど、なんでそんなにその人達の話を聞きたかったの?
やっぱり生き方に興味があったの?
皆嶋 そうだね。新しい働き方であったり。元々会社に勤めていたときから、自分で「こうしたらもっとよくなる。こうなったらもっと楽しく仕事できる。」という思いを抱いていたから、そういう思いを具現化していたのがその人達だったんだよね。自分の考えよりさらに先を行っててすごいなって思ったんだ。
越水 話を聞いてみたいと思ったんだね。
皆嶋 ネット上にも情報はあるけど、行動に結びつくのは実際に生で触れた情報だと思うんだよね。だから気になる人がいるなら実際に会って話を聞きたいと思って。その背中を押してくれたのが、ユナイテッドピープルの関根さんの本にあった「やらないよりもやったほうがいい」っていう一言で。「だよねー!」と思ってさ。
越水 単純だなあ笑
皆嶋 それで安藤美冬さんに「福岡でイベントしましょう!」ってメッセージを送って、関根さんと安藤さんの対談イベントが実現して、そこで関根さんと出会ったんだよね。色んな人とつながれて、イベントも大成功だった。味をしめて他にもいろいろイベントを企画していたら、関根さんがユナイテッドピープルで人を募集してて、一緒に仕事をすることになったんだよ。
越水 へぇー。
皆嶋 関根さんからとりあえず飲もうっていうことになって、居酒屋で「会社作って11周年だから映画祭やりたい」って話になって「じゃあやりましょうよ!」という。
越水 あーなるほどね。それで映画祭に関わることになるんだ。
皆嶋 そう。もともとは200人~300人くらいの規模を考えてたみたいだけど、「やるなら1000人くらい集めましょうよ!」って盛り上がって。お酒飲みながらの与太話だけど、自分のなかではユナイテッドピープルの価値と自分自身の経験と、仲間の協力があれば1000人呼ぶくらいの面白いものができるって確信してて。最終的に見事に延べ人数1000人は達成できて。
越水 そうだね。ホリエモンとかも呼んで大きなイベントになってたもんね。
皆嶋 それまでに関根さんに同行してすごく貴重な経験をさせてもらって。いろいろな出会いがあって、ユナイテッドピープル映画祭までの5ヶ月の準備期間はもうすっごい濃かった。
越水 大きな成功体験になったね。
皆嶋 そう、成功体験になった。一生ものの出会いもあったし。本当に感謝してる。
越水 ボランティアも含めて結局何人くらいの人が関わってたの?
結構な規模になってるでしょ?
皆嶋 50人くらいかなー。
越水 おお!すごいね。
皆嶋 だけどお金を払えないからさ、関わってくれた人の人生にとって貴重で良い経験が味わえるようにと思って、そうするにはどうすれば良いかをすごく考たね。
どんどん人に任せて、結果には責任持つけど文句は言わない。やりたい事を好きにやっちゃってくださいって。そのバックアップはします!って感じでやってたね。当日は全てが予想以上だったね。みんな楽しそうだったよ。
越水 さっき地震の話しが出たけど、それ以後の空気感をすごく表した映画祭だと思った。なんかこう、価値観の共有を求めて人が集まってきてるという。スタッフもお金が目的で集まってるわけじゃなくてね。
皆嶋 そうだね。お金よりも得たいものはたくさんあるよね。そこでの出逢いだったり経験だったり。プライスレスだよね。
ユナイテッドピープルとは今後もいろんな形で関わっていければなと。
また映画イベントの企画もあるしね。

2014年、新たな生活を始めます!

越水 じゃあ、今後の話しをしていきましょうか。2014年は何をしていく?「これやりたい」とかある?
皆嶋 海外に引っ越す。
越水 おお海外に!どちらへ?!
皆嶋 フィリピンのセブ島か、マレーシアのクアラルンプールあたりに引っ越したいなと。
越水 それは、どうやって選んでるの?
皆嶋 セブに関してはオンライン英会話を1年くらいやってて、向こうの人のポテンシャルの高さに日々驚かされてる。英語はもちろん喋れるし、考え方もすごくしっかりしている。こういう人たちと一緒に仕事したいなと思ったのと、自分も英語ペラペラに話せる環境に身を置きたいと思ってフィリピンのセブは一番いいかなって思ってる。
越水 セブはこないだ行ってたもんね。
皆嶋 そうだね。向こうにも若くてビジネスを起こしてるし人も多いし、頑張ってる人が多い。
越水 奥さんも一緒だよね。もうガッツリ向こうに定住する感じ?日本と行き来するとかではなく。
皆嶋 奥さんも一緒に。けど日本は行き来するよ。もう、セブ出勤だね。
越水 セブ出勤笑
皆嶋 首都圏とか2時間かけて出勤する人もいるでしょ?それが6~8時間になるくらい笑
越水 まあ毎日するわけじゃないからね笑
皆嶋 そうそう。月1くらいとか、そのくらいならいいかなって思って。
越水 いいねえ。面白いね。
皆嶋 自分はオーナー業に固執してるわけじゃなくて、雇われでもいいし。
例えば語学スクールとか、自分が向こうで知り合った人たちがやってるビジネスを、一緒に伸ばしていくとかそういう形もあり。
越水 なるほど。まずは向こう住んでから人の繋がりとかいろいろ作っていかなきゃね。
皆嶋 そうだね。セブはこないだ10日間くらい行ってきたけど面白いところだよ。
越水 セブは何が面白いの?
皆嶋 人が面白い。日本から若くしてフィリピンに移住して頑張ってる人たちも多くて、場所に縛られず本当に新しい価値観で生きてるんだよね。
一回り年下の人からも学ぶことがたくさんあるし。
越水 へー。皆嶋さんはなんか、サバイバルとかが好きなの?
皆嶋 そうかも知れないね。
越水 暮らし方をガラッと変えるわけでしょ。そこを楽しめる人っていうのは強いなあと思うね。
皆嶋 そうだね。よく、「日本にいたほうが稼げるんじゃない?」とか「現地の人のマネジメントは厳しいよ」とかアドバイスもらうけど、そういったトラブルとか障害を乗り越えて起こるドラマ自体を経験したいって思うから。「マネジメントが難しい」とか言われても、それで成長できるならぜひ経験させてほしいって思うんだよね。
越水 ははは。いいね。じゃあ来年はひとまず新しい生活を始めるぞと。
皆嶋 うん。

柔軟に、失敗も受け入れて楽しむ。大切な「今」を人と分かち合う。

越水 オーストラリアの話もそうだけど、ライフスタイルや人生観に対して共通するものがあるなって感じてて、おれもサバイバルは好き。
皆嶋 おー、いっしょじゃん!
越水 なんかね、「どうにかなるかな」ってのはいつも思ってる。もちろん最悪ラインでの予防線は頭に入れておくんだけど。
俺はけっこうね、一つの場所に長い間居られない性分っていうのは自分で感じていて、飽きちゃうというか、慣れてきちゃうと次のアクションを起こしたくなるんだよね。
同じ性分じゃないかなと思うんだけど。
皆嶋 そうだね、飽き性だからもしかしたらそうかも知れないけど。新しい経験をすることや、自分の価値観を広げることが好きだね。だから本も読むし、変な人生を送っている人とか大好き!「うわー俺と違う!」って尊敬しちゃうし。
越水 そっか。海外に住むっていうのは思い切りがいいよね。でも、そんなこという時代でもないのかな。
皆嶋 どんどん当たり前になっていくだろうね。
逆に燃料費が上がって一部の人しか行けなくなる時代になるとも言われてるけど。
自分の場合、今32歳でやっておかないと絶対後悔するものの中に「海外に出る」っていうのがあったから、たまたまこのタイミングになったってだけなんだよね。
越水 あと、LCCで移動のコストが下がったり、SNSでコミュニケーションの手段も増えて海外に移るハードルは下がってきてるもんね。
皆嶋 そうだね。2月にクアラルンプール経由でセブにまた行くんだけど、往復で47,000円とかだよ。安いでしょ?
越水 えー!安いね!
皆嶋 うまい具合に乗継したりして安くしてるんだけど、もっと安いのもあると思う。だからすごく行きやすくなってるよ。
越水 どのくらい住むとかも決めてるの?
皆嶋 2,3年??いや、すぐ帰ってくるかもしれないけどね笑
越水 まーそのくらい軽い感じでいったほうがいいかもね。
皆嶋 そうそう。もし向こうでビジネスやってうまく行かなくても帰ってくればいいし。
それは失敗と思われるかもしれないけど、すごく貴重な経験になることは間違いないし、そう考えれば失敗にはならないんだよね。
とにかくやってみることが大事。
越水 海外行くのって楽しいよね。日本はすごく便利で言葉も通じるし、なんでも簡単に手に入るけど、それがうまくいかないのが逆に楽しい。自分の持ってる常識が通じないというか。
皆嶋 そう、そういうところがすごく面白い。そういう状況にイライラしちゃう人もいるだろうけど、俺は幸運にもその状況を楽しめちゃうから。
越水 柔軟にいるってことは大事だよね。その時々で、海外行ってもうまくいかなければ帰ってくればいいって軽く考えられるノリは大切だと思う。
例えば学生の就活とか、社会人が仕事で思い悩んだときに「じゃあそれやめちゃえばいいじゃん」ってのもありだと思うんだよ。
皆嶋 結構アドバイスや相談を求められることもあるんだけど、「あ、こいつ絶対失敗するな」って思ってもおれ、「やろうぜやろうぜ」って言うんだよ笑 世間的には失敗に終わったとしても、本人の経験としては絶対に失敗じゃなくて、とても貴重な経験が得れるわけ。
越水 ああ、そうね。
皆嶋 それを大人はわかったふうに「いやそれは失敗するよ」と、良かれと思って止めるんだけど、それは人生を豊かにするものではないなと。
越水 わかる!失敗しない人なんていないもんね。
皆嶋 いや、失敗が面白いよ!
越水 でも人はそれを避けるじゃん。失敗を避けてると何も起こらないのにね。そこを避けてると「失敗しないための準備で人生終わっちゃうじゃん!」ってすごく思うわけ。
皆嶋 「失敗しないように準備が必要」っていうのが真っ当な意見だろうけど、そこ考えずに突っ走ってもいいかもね。
越水 最悪のケースの予防線というか、「最悪、食べるのに困ったらどこか就職すればいいや」って野垂れ死にしないようにすることだけ考えておけばいいと思うわけ。そこを真面目に「これ以外におれの生きる道はない!」って考えすぎちゃうと、そもそも初めの一歩が出なくなっちゃうんじゃないかなって思う。
皆嶋 おれは守りに入ったときに野垂れ死になっちゃう気がして。失敗を恐れずに攻めてる人って絶対に野垂れ死んだりしないと思う。
越水 そう、前向きに考えるもんね。
皆嶋 イベントとか通していろんな学生さんに会うけど、すごく無責任なアドバイスしてるもん。「海外に行きたいと思うんですけどどうしたらいいですか?」「絶対行ったほうがいいよ!」「内定蹴っても行ったほうがいいですか?」「おれは蹴るよ」って笑
越水 笑 それね、それは無責任だよ笑
皆嶋 けどその時にそれがやりたいって想いがあるならやったほうが良いし。
越水 人それぞれ価値観があるだろうけど、薦めたい生き方とかってある?
皆嶋 ちょっと損するくらいの生き方がいいんじゃないかな。例えば仕事で売上げや自分にとっての利益を求めすぎると、見失ってしまうもっと大切なものがあるんじゃないかなって思って。自分が少し損したとしても、より大切なものを優先して、それを容認できるようになれば、すごく心に余裕を持てるしね。
越水 確かに自分の利益ばかり目的になっちゃうと面白くないね。じゃあそれを誰と分かち合うの?っていう。
皆嶋 そうそう。あと妥協すること。妥協すること大好き。
越水 え?
皆嶋 複数人で物事を作り上げるプロジェクトにおいて、自分の考えを妥協するっていう意味なんだけど。自分が正しいと思うことを突き詰めて作り上げることも大切で素敵なんだけど、意外とね、自分のこだわりを妥協して相手の考えに乗っかっていくと、想像以上に良かったりして新しい発見があるんだよ。だから妥協することは大好き。もちろん自分の想いは伝えるんだけど、相手の考えに乗っかることも大事にしている。これ結構みんな同意してくれないんだよねー。
越水 言ってることはなんとなくわかるよ。たぶん皆嶋さんの中では自分が中心になることはあまり重要ではなくて、外のものを求める好奇心が強いんじゃないかって思う。
皆嶋 え、どういうこと?
越水 自分の中から沸きあがったものを自分の思うように実現するのも面白いけど、他の人のアイデアを取り入れてそこに委ねるっていうのは、やっぱり自分の中にないものが結果的に生まれてくるでしょ?それを楽しんでるのかなって思うよ。
皆嶋 うん、まさしくそう。だからユナイテッドピープル映画祭の運営はその結晶で、それを120%カタチにさせてもらったっていう。自分は何もしてなくて、みんながフルパフォーマンス発揮できるようなものにした。
越水 そうだね。そこらへんのことはネイルサロンの運営にも出てるんじゃないかなーと思う。ワンマンな感じじゃなさそうだもんね。
皆嶋 ワンマンではないよ。間違ってると思ったら、「こんなに謝るオーナーでいいの?」っていうくらいすごく謝るし。意外といい人でしょ笑
越水 いや意外だなんて思ってませんよ笑
皆嶋 意外にいろいろ考えてるでしょ。最後に言いたいことは、おれはヘラヘラしてテキトーに見えるけど、そんなにテキトーな人間じゃねーぞっていう笑
越水 皆嶋熱いぞ!と笑
皆嶋 熱いぞ!勘違いするなよと!なんちって笑
越水 勘違いされそうだねー。ゆるーい雰囲気あるもんねえ笑
皆嶋 ははは、あるある笑。
あと、2014年は新しいプロジェクトに参画するんだよ。
海外からの留学生向けのWebメディアが主体なんだけど、webや映像を通して日本の良さを世界中の人に伝えていきたいなと。
そして、僕はセブに行く事になると思うので日本からのフィリピン留学のwebメディアにもつなげていきたいね。
越水 お!なんか面白そうだね!
皆嶋 でしょ。
越水 今後が楽しみだね。
長くなりましたが、お話し聞かせていただきどうもありがとうございました。
皆嶋 こちらこそありがとうございました。

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皆嶋孝二郎

elega nail 代表/Gusk プロジェクトマネージャー/webデザイナー 1981年熊本生まれ。大学卒業後、オーストラリア、東南アジアへ放浪の旅に出る。帰国後3年半の会社員時代を経て、27歳で独立、ネイルサロンを開業。その傍ら、働き方、生き方などライフスタイルをテーマにしたトークライブイベント、読書会や上映会などを定期的に開催。